山梨県立富士山世界遺産センター > 世界遺産 富士山―山梨県立富士山世界遺産センター > 世界遺産について
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世界遺産とは、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)が定めた「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」に基づき登録された、遺跡・建造物や自然などのことです。
人類共通のかけがえのない財産として、国際的に保全し、未来に残すことが求めらています。日本は1992(平成4)年に締約国となりました。
記念工作物(歴史上や芸術上、記念碑的価値の認められた建造物)・建造物群(景観など複数の建造物の一群)・遺跡(遺跡群など、地域一帯や文化景観・継承地など)。アテネのアクロポリス(ギリシャ)、万里の長城(中国)など
厳正保護地域(特出した生態系)、原生自然地域(手付かずの土地や海 域)、国立公園、天然記念物、種と生息地管理地域、景観保護地域、資 源保護地域、その他。イエローストーン国立公園(米国)、グレート・バリア・リーフ(オーストラリア)など。
文化遺産、自然遺産、それぞれ一項目ずつ以上が適用された物件。自然環境と人間の文化的な営みが、ともに顕著に普遍的な価値を有する遺産。マチュ・ピチュの歴史保護区(ペルー)、ギョレメ国立公園およびカッパドキアの岩石遺跡群(トルコ)など。
日本人の自然観や日本文化に大きな影響を与えてきた富士山は、ユネスコ世界遺産委員会によって「富士山ー信仰の対象と芸術の源泉」として2013年に世界文化遺産に登録されました。富士講に代表される信仰と、浮世絵を始めとする様々な芸術を育んだ富士山は、人と自然の共生を象徴する未来に受け継ぐべき世界の宝です。
●「富士山信仰」という山岳に対する固有の文化的伝統を表す証拠
富士山に住まうと考えられた神仏への信仰を起源 として、火山との共生を重視し、山麓の湧水など に感謝する伝統が育まれました。その本質は、時 代を超えて今日の富士登山及び巡礼の形式・精神 にも確実に継承されました。 富士山とその信仰を契機として生み出された多様 な文化的資産は、富士山が今なお生きている山岳 に対する文化的伝統の類い稀なる証拠であること を示しています。
●顕著な普遍的意義を持つ芸術作品との直接的・有形的な関連性
19世紀前半の浮世絵に描かれた富士山の図像は、近・現代の西洋美術のモチーフとして多用され、西洋における数多くの芸術作品に多大なる影響を与えたのみならず、日本及び日本の文化を象徴する記号として広く海外に定着しました。 富士山は、そのような顕著な普遍的意義を持つ芸術作品と直接的・有形的な関連性を持ち、日本及び日本の文化の象徴としての記号化された意味を持つ類い稀なる山岳です。